将棋戦法大事典

5筋位取りが載ってる定跡本の数少ない一つ、、 というか一昔を二十年とするならば一昔前の戦法やそれに対する考え方が読める本、 というわけで、図書館行って書庫から出してもらって読んできた。総ページ数1000P超、表紙も百科事典や国語辞典を思わせる立派な仕様、1985年当時で定価14000円。本棚に連番でそろえられた将棋世界か何かとともにさりげなく置いておくとそれだけでステータスになりそうだが、重たくてかさばるのでよほど本棚に物足りなさを感じる人以外にはお勧めできない。
さて、本題は内容なわけだが、5筋位取りについては四間飛車の急所やネット上で調べたことからあまり進展はなかった。あえて言うと、四間飛車側が1三香型で待った場合4五銀から7九角引の手順が厳しくなるとか、3二金型に相手から組んできたら5筋位取りが有用だとかそういう実戦にはまず役立たなさそうな手順がわかった程度で、その他の主要変化は4五桂の手順中の4二歩が載ってないこと以外自分が知ってる定跡と大差ない。なんか振り飛車有利の手順はあっても居飛車有利の手順は載ってなくて、非常に難解とか力戦になるとかそういう変化ばっかしだし。まぁ事典の類の解説に期待しちゃいかんがな。
本としては実戦の手順の引用が多く、基本手筋の解説なんかも入ってる。また、凹凸戦など、「は?何だそれ」という項もあり、除いてみると「5筋の位を取った居飛車ないし中飛車と位取られた居飛車との戦型を凹凸戦法と呼びたい。この名称は一般に定着してるものではなく、私が今ここで決めたものである。」なんて書いてある。要は相掛かり5筋位取り系の総称。 筆者独自の名前が数個くらいあったと思ったが、今現在生き残ってる名前は一つもなさげ。
7三玉型の珍形戦法の解説中より、「元来の定跡本では△7四歩は「桂の捌きを狙うために突くもの」と記されているが、このような戦法の出てきた今これは「桂または玉の捌きを狙うために突くもの」と改めなくてはなるまい。」 今日のマイベスト決定