途上国支援

ゲイツ氏が現役引退して慈善活動に身を投じるとかのニュースで「100ドルあれば人が一人救えるんです」みたいな発言を見つつ、ふと思ったので自由作文調に


途上国の凄惨な生活状況を改善すべく、そういった人々に医療を施そうといった名目で募金が募られたり慈善活動が行われたりする。だが、出生率が高さが乳幼児死亡率の高さや寿命の短さと相殺されているそのような途上国において、医療支援で死亡率を減らしたとなるとどうなるか。もとより生産力が低い土地ゆえの貧困だから、死亡率低下により人口爆発が起こればますますその土地の人口支持力以上に人口が増えて生活状況の更なる悪化、都市のスラム化の進行、人口押し出し圧力の増加といった悪影響が起こりうることは想像に難くない。飢餓や不健康もその土地の社会バランスを保っている要素の一つであり、単独での解決はナンセンスであるといわざるを得ない。
無論、医療支援は無駄だとか言うのは暴論だ。だが、ここで主張したいのは、貧しい人々への支援というとまず医療支援が第一に上げられることが多い中で、真に掲げるべきは産業発展の促進ではないだろうかということだ。長期的観点で見るならば、教育の整備や金融システムの整備により産業を発展させてその土地の人口支持力を引き上げる、これらの発展サイクルがうまく機能し始めて初めて医療問題がゆるゆるとでも解決に向かっていく、それこそが本筋ではないだろうか。現状、医療支援という錦の旗が大きく振られすぎている気がしてならない。