路駐と自転車の共存はどこへ向かうのか

「交通を妨げて渋滞や事故の原因となる路駐は撲滅すべきだ」 と言ったものの、都心ではその理想論だけでは片付かない。電車地下鉄で市民の移動が完結するコンパクトな都市において日々の大量の流通を支えている路駐との決別を、現在の都市の構造を変えずにすぐさま行うのは不可能である。
そして同時に、路駐は都心の自転車乗りの最大の敵である。基本的に道路左端を走る(ただし2車線以下の場合)と規定されている軽車両にとって、頻繁な車線変更を要求される上に、急にドアが開いて事故に繋がる危険性も高い。


さて、最近新しい自転車道の設定が行われた。

路駐場所を四角く囲ってることと、自転車道を露骨に青く色分けして進行方向を明記してることのどちらも、人間の心理に訴えていてよくできていると思う。昼間は殆ど常に路駐が存在する特性を考えて 「自転車道をポールで区分する」 ならぬ 「路駐を使って区分する」 という戦略とも言える。
一部の地域にかつてあった 「ポールで区切る自転車道」 は、めちゃくちゃ狭いくせに両側通行なので自動車と同じところを走ったほうがむしろ安全という欠陥を抱えていた。その反省も生きている。

さらに交差点では、不評だった横断歩道の自転車走行帯*1が廃されて、より走行方向を明示した形に変わった。法制度の不備を運用でカバーしている。


今回の方式は交通量の割に実質片側4.5車線と広い道路だからこそ実現しているというのも事実だろう。自転車道部分に十分な幅を取れないと、路駐のドライバーのドア開けが非常に危険になる。
ちなみに個人的には、「常に路駐があるのなら、路駐スペースより道の内側に自転車レーンを色分けして作る」 方式がベストではないかと前々から考えている。

*1:横断歩道の自転車走行帯: 自転車走行が指定されてる場所があれば自転車はそちらを走らなければならないとされているため、横断歩道に自転車走行帯がある時は車道走ってる時のまま直進してはいけないと解釈されている