Blenderでスカルプト

Blender導入レベルから覚え書き。ver.2.75準拠

ZBrushとかと比べると

扱えるポリゴン数が少ないのが弱点。Blenderだと自分の環境では数百万ポリゴンあたりで処理が辛くなってくるがSculptrisやZBrushなら全然余裕。解像度が全然違うので、より細かい作り込みが行える。(高速なCPUやCUDAのグラボ使えばもう数十倍は処理性能上がるだろうが… というかZBrushの軽量さがすごい)
一方でBlenderは多機能でアニメーションや物理シミュレーションも同じソフト内でこなせてアドオンも豊富なのが強みだろうか。

3Dビューの画角

デフォルトでは35mm相当になっていて非常に広角。建物レベルのサイズをモデリングするのでなければアオリはもっと小さい(=焦点距離は長い)ほうが良い。3DビューでNキーで出てくるメニューの View > Lens にて設定。ディスプレイのサイズにもよるが、自分は150mmにした。
画角と角度の対応はWikipediaの記事を参照

ショートカットキーの編集

Ctrl+Tabでスカルプトモードに入るようにしてみた。下画像でSculptModeとなってるところ。

blender-sculpt-tools アドオン

非常に便利
http://blenderartists.org/forum/showthread.php?316520-Sculpt-Tools

  • 論理和論理積、論理差 などをワンプッシュで作る。穴を開けたい時はこの論理差を使うと良い。
  • Remeshボタン、指定した粗さでリメッシュする。リメッシュのアルゴリズム良し悪しはあるが、ZBrushでいうDynaMeshに相当。
  • 対称化ボタン
  • グリースペンシル(Dキー押しながら左クリック)で描いたラインに沿ってカット
  • マスクした部分を外側に押し出してメッシュを作る(服を作るのに便利)

など

Dyntopo

スカルプト時に自動的にメッシュを切り直してくれる。
Dyntopoを有効化するにはCtrl+D、左のメニューでボタンのテキストが "Disable Dyntopo" になってれば有効化されている。すぐ下のDetailでどれくらい細かく分割するかを決める。デフォの12pxは粗め、1pxだと処理が重くてキツイ、2〜6pxくらいが妥当だろうか。

特にPinchブラシやCreaseブラシといった頂点を吸い込むブラシで便利。逆にSmooth/Layer/ThumbブラシではDyntopoは働かない。
スカルプティングは全体のバランスを取りながら順番に解像度を上げていくのがよく言われるコツで、勝手に編集解像度が上がる(しかも処理が重い)dyntopoはディテール作りこみ段階では罠かもしれないが、もりもり盛り上げていく段階では作業が直感的で良い。

役に立つ(かもしれない)モディファイア

Decimate
ポリゴン数削減、ポリゴン数増えすぎて重い時に
Skin
エッジを骨として、アーマチュアとそのボディのメッシュを作る。Mirrorモディファイアで左右対称のエッジ→Skin→Subdivideで滑らかに の流れが典型的。頂点を選択してCtrl+Aでその頂点を太らせることができる。
Multiresolution
画面表示はローポリで、スカルプトによる内部処理はハイポリで行うことができる。上記Dyntopoとは共存できない。

スカルプトモードでよく使う操作とブラシ

数字キーやShift+数字キーで、N番目のブラシに持ち替え。以下ではデフォルトのブラシ並び順の場合を解説した。LMBは「マウス左ボタンを押してストロークする」の意味
最も多用する基本の6つ:

F
ブラシの大きさ
Shift+F
ブラシの強さ
Ctrl+LMB
彫りと盛りを逆にしてスカルプト。Clayで少しずつ削ったり、Creaseで山脈を作ったりする。
Shift+LMB
Smoothブラシをかける。ブラシをかけた後にスムーズして自然な形状にするのは基本。
C or 3
Clay、粘土を盛り付ける。自然な盛り上げが得られるので、盛り上げ用途で最も多用。ブラシサイズを小さくして浅いシワの演出にも。
G or 7
Grab、掴んでずらす。パーツの形の微調整で多用。

この6つでだいたいの形状はできる。


マスキング:

M or 0
Maskブラシ、動かしたくない範囲をマスキング。下唇を固定したまま上唇を微妙にずらすとかの時に。
Alt+M
マスク解除
Ctrl+I
マスク反転。


その他よく出てくるもの:

Shift+C or 4
Crease、溝を彫る。深いシワを作る。Strengthとは別にPinchを設定でき、その比率によってブラシの特性が違ってくる。Ctrl+LMBだと盛り付け操作になり、切り立った山脈を作れる。
Ctrl+D
Dyntopo有効化
E
ストローク種類。マウスで操作する場合はAirbrushモードにしてブラシ強さを小さくすると使いやすい。
X or Shift+4
Draw、基本的なブラシながら、盛りつけ方が無機的で使いづらい。Strokeの設定からJitterをつけてランダムに叩きつけるとゴツゴツした表面が作れるのが有用だろうか。

アルファブラシ、表面解像度

プロパティパネルの中のテクスチャパネルからテクスチャ画像を追加しておかないとアルファブラシの一覧に出てこない。

一枚ずつ追加しないといけないため甚だ不便。フォルダ内の画像をまとめて読み込むアドオンもあるらしいが…
アルファブラシをBlenderで活用するにはマシンパワーがかなり必要。というのも、Dyntopoのサイズを1px以下にする程度のポリゴンの細かさがないとただの乱雑な表面になりがち。例えば500*500程度の分解能で表面にテクスチャを彫り込んだオブジェクトは、仮に立方体だとすると500*500*2(三角形2つで四角形メッシュ一つ)*6(立方体は6つの面)=300万オーダーのポリゴン数になる。
3Dプリンタの解像度も同時に考えてみる。FDM方式で積層ピッチ0.2mm 全高100mmであれば、解像度は縦方向に500。横方向は位置精度は高いのだが、ニュルッと押し出されたプラの太さオーダーのぼかしがかかる。数百万ポリゴン以上のディテールは原理的にこのFDMプリンタでは出力できない可能性もある。