版画絵フィルタ(手動)
画像、特にアニメ絵を単に二値化するだけでは、黒っぽい部分は黒ベタで塗りつぶされるだけで、その部分の線の情報が失われてしまい見辛くなることがある。二値化した時に黒ベタになる部分での輪郭線は白い線であって欲しい。このような表現手法は、版画やカッティングシート切りで重要である。
というわけで Gimp であれこれ試してみた。Gimp以外のレタッチソフトでも同じようなことができるはず。
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わかりにくい元画像を選んでしまったのだが、肩の黒フリルの輪郭が白い線で表現されたり、髪の途中の光の反射が黒い線で見えてたりするのがわかるだろう。
今回のレシピは
(1) 目的の画像を二値化 *1 …… このレイヤーをAとする
(2) 目的の画像の輪郭を抽出 *2 → 二値化 …… Bとする
(3) BとAのレイヤーを 「差の絶対値」 のモードで重ねる
こうすると、黒ベタの部分は白い輪郭線が、白ベタの部分には黒い輪郭線が引かれる。しかし、黒と白の境界線で輪郭線がダブってしまうので、この部分を補正するために以下を追加する。
(4) A の輪郭を抽出して、色反転して *3、線を太くする *4 …… Cとする
(5) Cを、比較(暗) モードで (3) の結果に重ねる
二値化の時のしきい値・輪郭線を太くする量・二値化前にぼかしをかける といったあたりで微調整ができる。自動で理想的な画像を作るための条件だしはまだまだ遠い。そもそも、元画像によっては版画絵にするとわけがわからなくなることも多いし。