自転車のホイールバランスを取る

やり方は超有名な動画があるのでそちらを参照 → http://www.youtube.com/watch?v=c5aG-iquk0E
オープンベアリングの台座なんて用意するの面倒なので、上の動画の後半に出てくるホイールを自転車本体に取り付けたまま行う方法で調整してバランスウェイト貼ってみた。



前輪はサイコンマグネットで少し補正されてるのだが、前後とも4gでバランスがとれた。バルブ穴の反対側(リムの接合してる部分)が重いので予想通りほとんどリム起因だろう。


「ホイールバランスを取ることで性能が劇的に改善」などと謳っているところもあるが、果たしてバランスが取れてないとどれぐらい影響が出るのか理論的に少し考えてみる。

  • f : ホイールバランスのズレにより軸に働く力。上下成分のみを取り出すことでタイヤの荷重の変動値、前後成分を考えれば車体の前後の揺さぶり。
  • m = 5g : タイヤ外周部でのバランスのズレ
  • v = 72km/h : 走行速度。ロードバイクでのダウンヒルを想定
  • r = 668mm / 2 : 700x23cのタイヤ半径

とすると遠心力の式より f = mv^2/r = 6.0 N = 0.61 kgf となる。ホイールが一周する時にこの力が上下に変化しながらかかるので、タイヤのグリップが ±0.61 kgf 揺らぐことになる。比較対象としてタイヤの荷重を考えると、体重+車体重量=70kgをダウンヒルで後輪40%と思えば28kgf。この時のタイヤの回転数はv/(2πr)=10Hz。ブレをどこまで許容するかの問題なので実走してみての感覚次第だが、値にして±2%ほどの幅、周波数10Hzでブレることになる。
72km/hというかなりの高速ダウンヒルを想定しても±2%。36km/hの常用速度なら±0.5%でここまで来ると路面の凸凹のほうがよほど影響力が大きそうだ。ただし、路面の凹凸と違って周波数が低いことには留意。
fが速度の二乗で効いてくるため、例えば288km/hで走るオートバイのレースがあったとすると72km/hの時の4倍ではなく16倍もの力がかかる。また、mが一定ならタイヤ半径rが小さいほど影響が大きく、オートバイのタイヤ外径が580mmとかなのでこれにより更に1.1倍。速度域の違いにより影響が大きくなるため、オートバイや自動車では必須の技法なのだろう。逆に言えば自転車は大きいホイール径とほどほどの速度域を持つために比較的影響が小さい。