ステンレスも陽極酸化で色が付けられる?

チタンでおなじみの陽極酸化(anodizing)。酸化膜の厚みが波長オーダーになる時に光の干渉で発色する。DIYに挑戦する人もいる
アルマイトは酸化膜を成長させたあと染料を染みこませるのだが、ここでも陽極酸化が使われる。これと区別して「電解発色」「酸化発色」などと呼ぶこともある。
陽極酸化チタンのあの艶やかな発色がステンレスでもできるんならそれこそ何にでもやれるじゃん、やってみたいじゃん、と思うわけ。
で、実際それに関する論文がネットに転がってた。

インコ法

インコ法とは「硫酸とクロム酸溶液にひたして酸化膜を成長させて」「クロム酸とリン酸溶液にひたして硬化処理する」。電気を用いる陽極酸化ではない。
チタンと違ってステンレスは酸化膜が弱く、最後に硬化処理が必要。で、硬化処理にどうせクロム酸が必要なら、酸化もクロム酸でやろうということだろうか。
で、DIYしようと思うと、硫酸やリン酸はなんとかなるが、クロム酸(いわゆる六価クロム、有害、発がん性物質でもある)の入手がキツそう。クロメート業界でも近年は六価クロムメッキから三価クロムメッキに置き換わったらしい。三価のクロムは人体にも必須栄養素でもあり毒性はない。
この六価クロム、クロメート処理に使われていたのだが、最近は環境破壊物質として規制されて三価クロムによるクロメート処理に置き換わりつつあるとのこと。

アルカリ溶液中での電解発色

リン酸三ナトリウム中で常温で数分〜数十分の電解(表5) と、こちらはDIYできそうな条件が揃っている。(というかチタンと大体同じ)
問題は、やはり、酸化膜が弱いことだと思われる。anodized stainless でググって出てきたサイトにもそう書いてある。